連日のように猛暑が続いていますが、人間同様動物たちも熱中症に注意が必要です。そもそも犬・猫は（平均）体温が人間より約2℃程高く、また体表に汗をほとんどかかないために体温調節が上手ではありません。そのため体内に熱がこもり易く抜け難いので熱中症には陥り易いといえますし、また一旦熱中症に陥り重篤化するとその致死率は人間よりも高いといえます。従って、いかに熱中症に陥らない様に予防するかが大切なのは言うまでもありません。

日中の散歩は控える（陽が陰っていても特にアスファルトは熱を帯びている）、キャリーバッグやカートでの移動時は保冷剤等を入れて冷却する（但し保冷剤をイタズラしないように）、室内でもエアコンを上手に使い室温調節をする、自宅シャンプー後のドライヤーの使用法に気を付ける、車内放置（たとえエアコンを入れていたとしても）は絶対しない、そして充分な水分補給（動物用経口補水液なども有用）などなど。

熱中症は重篤化する前に必ずサインがあるのでそれを見逃さないことも重要です。いつも以上にパンティング（舌を出しての開口呼吸）が激しい、同時にいつも以上に流涎（よだれ）が多い、動きが急に鈍くなる、水を与えてもさほど飲まない、吐き気があるなどの初期状態を見逃さず、この段階で適切な処置をすることで重篤な熱中症に陥る前に回避出来るようにしましょう。

これから夏本番、人間も動物も熱中症には充分注意して元気に乗り切りましょう。詳しくは当院スタッフにお尋ねいただくか、『愛犬救命マニュアル』（当院院長監修書籍）をご覧下さい。